ライトノベル 半分の月がのぼる空6 レビュー

タイトル 半分の月がのぼる空6
著者 橋本紡
イラスト 山本ケイジ
出版 電撃
発売日 2006年2月


執筆者:jade 評価:
ついに退院した里香は裕一と同じ学校に通うことになった。
いっしょの登校、いっしょの校庭、いっしょの下校。
それはなんでもないありふれた日常。
けれど、当たり前の場所で、当たり前の生活を送る日々こそが、彼らにとって本当に大切なことだった。
僕たちはこの小さな町で寄り添って生きていく───
“普通の少年と、普通の少女の、普通の話”、ついに完結。

うん、いかにも半月らしい終わり方でした。
悲劇でもなければ喜劇でもない、感動的なエピソードなどまるでなし。
正直、エピローグをだらだらと書いたような内容は蛇足と取られかねないし、それこそ綺麗なシーンで幕を閉じた5巻で完結させた方が物語としての完成度や輝きは増したと思います。
けれど、終始ありふれた日常を描き続けたこの最終巻こそが“普通の少年と、普通の少女の、普通の話”であるこの物語にとって最も相応しいラストだったと私は確信しています。

あとがきで著者も述べているように、非日常の場所である病院で物語に幕を引くのは、どんなに美しくても“普通の物語”というコンセプトに反するのでしっくりこないんですよ。
やっぱり高校生にとっての日常、学校での二人の日々を描いてこそ、この物語は本当の意味で完結を見ると思うんですよね。
だから物語の美しさを壊す危険を冒してまで、この巻を描いた著者の決断を私は全面的に支持します。

まあバッドエンド愛好家としては、5〜10年後の二人の物語も描いてほしかったところなんですが、それこそ蛇足というものなんでしょうね(苦笑
その辺は脳内補完で楽しませていただくことにします(笑


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